オペラは、演劇と音楽によって構成される舞台芸術です。
通常は、原作となる戯曲や小説があり、それを題材にして、台本作家がストーリーを構成し、音楽家が音楽を作曲することでオペラ作品となります。
オペラ作品は、オペラ歌手と呼ばれる声楽家と合唱団、オーケストラ(規模の小さい劇場・ホールでは小編成、またはピアノや弦楽器等のみで行われることもあります)、時にバレエ団やダンサーも入って上演されます。
オペラの歴史は、1600年頃ルネッサンス後期のヨーロッパから始まりました。
現在では、世界各地で多数のオペラ作品が上演されています。
日本の能楽も歴史がありますが、オペラも400年以上続いている息の長い芸術なのです。
私たちはなぜオペラに関わるプロジェクトを行おうと思ったのか?
その理由は、オペラがその時代時代を通じて話題となった戯曲や小説を元にしていること(つまりストーリーに深みや示唆があること)、そしてそれに歴史上の偉大な作曲家たちが素晴らしい音楽をつけていること、そうした作品が現在もその道のプロフェッショナルにより各所で上演され続けていること、それらの楽しみかたを知れば皆さんの日々の暮らしが少し豊かになるかもしれない、と考えたためです。
オペラが制作されてからの400年間で、我々はどれだけ変わったでしょうか?
スマホやSNS、インターネットさえもなく、飛行機も新幹線も電話もない時代だったことを考えると今と昔を比較するのはナンセンスと言う人もいるかもしれません。たしかにフランス革命以前は、人権や国民国家の考えかたさえもありませんでした。
一方で、400年以上昔の人も、現代の我々と同じく、恋愛したり、失恋したり、人に嫉妬したり、人を騙したり、裏切ったりしていました。
オペラのストーリーは、制作された時代の政治環境のみならず、世相、流行や文化の影響を受けたものが多いのが特徴です。現代とは相容れない内容もあるものの、全て人が紡ぐドラマという意味では本質的にはなんら色褪せておらず、逆に生きづらいと言われる現代の人々(特に現代の若い人々)が、そこに通底する人間の性(さが)を学ぶ一つの優れた教材であるとも考えられます。
我々のプロジェクトは、なるほどオペラって楽しそうだな、観に行ってみようかなと思っていただける方を増やす、言い換えれば「オペラの種を蒔く」活動です。
そのためには、オペラ作品の内容が「他人事(たにんごと)」ではなく「自分事(じぶんごと)」として捉えてもらえるような取り組みが必要であると考えています。「自分事(じぶんごと)」として感情移入できるようになると、素晴らしい音楽が押し寄せてきた時の感動はひとしおです。海外でオペラを観ながら涙する人がいるのはそうした理由からです。
本プロジェクトでは、まず皆さんにオペラについて関心を持って頂きたいという目的から、オペラ作品ごとに様々な考えかたの切り口を提示していきます。オペラ作品に詳しい方からすると承服できないところがあるかもしれませんが、あくまでも本プロジェクトの目的をご理解の上、温かい目で見守って頂けますと幸いです。また、オペラに初めて足を運ぶきっかけ作りとして、オペラ主催団体様のご理解も頂いた上で公演にご招待する企画も行っていきます。
オペラは、声楽、オーケストラといった音楽に加え、バレエ、ダンス、衣装、照明・舞台装置のプロフェッショナルの協働によって成り立っています。同プロジェクトでは、微力ながら、オペラの公演に携わっている方々の支援もできればと考えています。
本プロジェクトは、マカロニアンドマネジメント株式会社の社会貢献活動として、同社の支援を受けながら行っています。すでに財界、音楽関係の皆様から多くの賛意を示して頂き、感謝してもしきれない思いでおります。
本プロジェクトで蒔いたオペラの種がいつか芽吹いて、「記念日にはオペラを」と考えていただける方が一人でも増えればプロジェクトメンバー一同望外の喜びであります。