公演までに聴いていただきたいおすすめリスト:#20 ヴェルディ「運命の力」

オペラ公演にご参加頂く方々の中には、学生の皆さんやオペラ初体験の方がいらっしゃいます。
プロジェクトチームでは、スキマ時間を使って公演までに3回ずつ聴いておいて頂くと、本番の公演で「あ、この曲知ってる!」となりオペラを楽しめるのではないかと考えました
今回は、ヴェルディ「運命の力」公演に向けて、事前に聴いておいて頂きたい音源を8つに絞って列挙しました。
Youtubeですが、(気持ち少し大きめの音量で)聴くだけ、聴き流しておいて頂くだけでも良いかと思います!
観劇予定の皆さまにお知らせ頂き、公演をよりお楽しみ頂けますと幸いです‼︎

1. どんなお話なの?
本作品は、その名の通り「抗えない過酷な宿命に翻弄される人間たちの悲劇」を、圧倒的なスケールと胸を打つ美しい音楽で描いた作品です。偶然の重なりや突飛な展開に満ちたストーリーでありながら、ヴェルディの劇的なオーケストラと歌の説得力が、まるで濁流のように私たちを物語の深みへと引き込みます。
【第1幕】インカ帝国の血を引くアルヴァーロと侯爵令嬢レオノーラは駆け落ちを図りますが、不運にも銃が暴発し、彼女の父カルラトラーヴァ侯爵を殺してしまいます。二人はその場から逃走し、ここからレオノーラの兄カルロによる、アルヴァーロと妹への復讐が始まります。
【第2幕】おののき逃げた二人は、混乱の中離れ離れになってしまいます。レオノーラは男装して修道院近くの洞窟に隠棲します。
【第3幕】カルロとアルヴァーロは、イタリアの戦場で偶然互いの素性を知らぬまま固い友情を結ぶことになります。しかし、レオノーラの肖像画がきっかけとなりアルヴァーロの正体が露見し、カルロはアルヴァーロに決闘を挑みます。
【第4幕】数年後、修道院でラファエル神父となったアルヴァーロに、追ってきたカルロが再び決闘を挑みます。アルヴァーロが、致命傷を負ったカルロの臨終の告解を求めた洞窟の隠者は、なんとレオノーラでした(アルヴァーロは気づいていませんでした)。復讐に燃えるカルロは、死に際に最後の力でレオノーラを刺し、彼女も神に召されていきます。

2. 聴いておいて頂くと公演をより楽しめる音源リスト(通勤通学のスキマ時間で、公演までにできれば3回聴いておいて頂きたいです!!)

序曲
ヴェルディの書いたオペラの序曲(シンフォニア)の中でも最も有名なものの一つで、劇中の様々な場面で使用されるテーマが散りばめられた名曲です。
La Forza del Destino: Act I: Overture

【1】第1幕 “È tardi”/「遅いよ、急いで!」
二人は駆け落ちのためまさに発とうとした瞬間、侯爵に見つかってしまいます。アルヴァーロは敵意がないことを示すために自身のピストルを床に投げ捨てますが、その銃が不運にも暴発し、侯爵に致命傷を与えてしまいます。侯爵は娘を呪いながら息絶え、二人は混乱の中で離れ離れになってしまいます。第一幕はここで終わり、第二幕以降の復讐劇が始まります。
La Forza del Destino: Act I: È tardi

【2】第2幕 “Padre Eterno, Signor, pietà di noi”/祈りの合唱「永遠の父なる主よ」
兄カルロが追ってきたことに気づいたレオノーラは、皆が祈っている陰でうまく逃げられるよう神に祈るシーンです。
La Forza del Destino: Act II: Padre Eterno, Signor, pietà di noi

【2】第2幕 “Madre, pietosa Vergine”/「哀れみの聖母」
修道院に辿り着いたレオノーラが、アルヴァーロとはぐれてしまった経緯と、彼の身と心の平安を求める心情を歌います。聖母マリアへの罪の許しを乞うレオノーラの声に、舞台裏からの修道士たちの祈りの声が重なります。
La Forza del Destino: Act II: Madre, pietosa Vergine

【2】第2幕 “La Vergine degli angeli”/「天使の中の聖処女よ」
レオノーラは修道士たちの合唱に混じって、隠遁生活に入る自分に勇気を与えてくださいと聖母に祈りを捧げます。
La Forza del Destino: Act II: La Vergine degli angeli

【3】第3幕 “O tu che in seno agli angeli”/「おお、天使の胸に抱かれている君よ」
レオノーラとはぐれたアルヴァーロは、身分を偽ってイタリア駐屯中のスペイン軍の士官となります。レオノーラが死んだと思っている彼は自らの不幸な生い立ちを振り返り、失われた恋人の思い出を辿りながら絶望を歌います。
La Forza del Destino: Act III: O tu che in seno agli angeli

【3】第3幕 “Solenne in quest’ora”/「この厳粛な時に」
カルロとアルヴァーロは同じ軍隊に属し、友として戦いに臨む中、アルヴァーロは瀕死の重傷を追い、自分が死んだら自分の持ち物を燃やしてくれとカルロに頼むシーンです。
La Forza del Destino: Act III: Solenne in quest’ora

【4】第4幕 “Pace, pace, mio Dio”/「神よ、平安を与えたまえ」
レオノーラが隠棲する洞穴の前で、アルヴァーロへの変わらぬ愛と、この世では報われぬゆえ死によって平安を得たいという願いを歌います。この時彼女は、近くでアルヴァーロとカルロが決闘をしていることを知りません。イタリア語の「pace」は、英語でいう「piece」で「心の平安」を意味します。
La Forza del Destino: Act IV: Pace, pace, mio Dio

3. 作品解説(もう少しあらすじ等を知りたくなったらこちらをご覧ください)
ヴェルディ「運命の力」作品解説
近日公開予定です